【オランダニュース】アムステルダムの運河にアザラシ。珍しいことが起きた。

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記事概要

ユトレヒトやアムステルダムの運河でアザラシが目撃され、注目を集めている。都市の運河での目撃は例外的で、観察サイトによると内水域での報告はほとんどない。アザラシには個体ごとに独特の斑点パターンがあり、同じ個体かどうかも識別可能。昔はもっと頻繁に目撃されていたが、水門や環境の変化により都市の内水域での出現は減少している。アザラシは内水域でも生きていけるが、近づきすぎず餌を与えないことが推奨される。

本文

「ユトレヒトで『ウトゥイェ(Uutje)』というアザラシが大きな注目を集めた後、アムステルダムの運河でもアザラシが目撃された。アザラシがこうして頻繁に現れるのは珍しいことなのだろうか?」
ワーゲニンゲン海洋研究所の海洋哺乳類研究者、ソフィー・ブラッサー氏は「昔はよくあった」と答えた。


都市の運河にアザラシ、珍しい光景

ユトレヒトやアムステルダムの運河でアザラシが目撃され、注目を集めている。ワーゲニンゲン海洋研究所の海洋哺乳類研究者、ソフィー・ブラッサー氏によると、「アザラシが水門を通って泳ぐことはよくある。①デン・ヘルダー(Den Helder)では内水域で子どもが生まれたこともある。②オースターシュルデ(Oosterschelde)や③グレヴェリンゲン(Grevelingen)などの閉鎖水域でも見られる」という。

しかし、都市部の運河での目撃は例外的だ。観察サイト waarneming.nl によると、ゼーランド(Zeeland)の内水域には多くの目撃情報がある一方で、④イェムイデン(IJmuiden)や⑤アイセル(IJsselmeer)湖周辺ではほとんど報告がない。「今回のアザラシは珍しいルートで入った可能性が高い。アイセル湖は都市の内水域に入るためのさまざまなルートを提供している」とブラッサー氏は説明する。

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同じ個体の可能性

ユトレヒトで目撃された「ウトゥイェ(Uutje)」と同じアザラシである可能性もあるという。アザラシにはそれぞれ独特の斑点パターンがあり、人間の指紋のように個体を識別できる。この写真の個体はメスの可能性が高く、腹部に一つの穴(へそ)が見えることから確認できる。オスは二つの穴があるという。


都市の運河での目撃は減少傾向

昔はもっと頻繁に都市の内水域でアザラシが見られたが、水門や他の制限により海との接続が減少した。都市の運河でアザラシを目にすることが特別に感じられるのは、人間がアザラシの生息地を狭めてしまった結果でもある。

北海の環境変化も影響しており、生息地は縮小。2010〜2013年以降、個体数の増加は止まり、2020年以降はオランダだけでなくデンマークに至るまで減少している。減少の原因は明確ではなく、個体数を数える資金はあるものの、原因調査の資金は不足している。風力発電の増加や海上交通量の増加など、人間活動が影響している可能性がある。


アザラシに遭遇したら

アザラシは内水域でも生きていけるため、餌を与える必要はない。釣りができる場所であれば食べ物も確保できる。ただし、船やゴミが多く、理想的な環境ではない。体重はオオカミ並みで、大きな歯を持つため、近づきすぎるのは危険。運河で捕まえて移動させることも非常に難しく、必要がなければ試さない方が良い。


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